「看取り」介護の重要性が高まっている
需要が高まっている
入居者に万が一の急変があった際に対応する医療機関を定めて運営してはいますが、グループホームは基本的に症状が割と安定している認知症高齢者の生活の場なので、看護師を常勤として配置しているところは少なく、医療体制はそこまで整っていません。しかし、社会全体で超高齢化が進むなか、それに呼応するようにグループホーム入居者の高齢化も進んでいます。そのため、グループホームにおいても「看取り」介護の需要が高まっています。2009年には介護保険法が改正され、看取り介護を行っているグループホームに対して看取り介護加算がつけられるようになりました。これにより施設側は介護サービスの追加料金を受け取ることができます。そのような状況のため、看取り介護を行うグループホームは増加しています。看取り介護を行っていないグループホームでは、入居者の状態が悪化した際には提携している医療施設や介護施設へ転居してもらわなければなりません。
看取りをしているグループホームとは?
看取り介護を提供しているグループホームを知る方法を紹介します。まず、協力医が在宅医療をしているかを確認しましょう。なぜなら、施設側が看取り介護を提供したくても医師が在宅医療に対応してくれない限り看取りはできないからです。ちなみにグループホームの場合、協力医は主治医である必要はありません。次に、看取り加算と医療提携加算を算定しているかをチェックしましょう。看取り介護加算を取得しているグループホームは基本的に看取り介護を提供していると考えていいです。
注意点として、大手のグループホームの場合は融通が利かない傾向にあることを知っておきましょう。入居者のご家族と医療機関双方が同意すれば看取りの実施はいつでも可能です。しかし、大手の場合は本部の許可がいるケースもあります。そのため、全国規模で展開しているグループホームだと看取り介護の実施までに時間がかかってしまうかもしれません。
看取りの実例
グループホームで実施した看取り介護の実例を紹介します。3年ほど前にグループホームに入居したAさんは、周辺症状が悪化したために地域の基幹病院に搬送されることになりました。しかし、過去に入院した際、徘徊や介護抵抗が激しかったことを理由に入院拒否されてしまいました。グループホームに戻ることになったAさんは、そこで看取り介護を受けることになりました。一週間ほどで安らかに亡くなられたAさんですが、長年認知症に苦しんでいたAさんの安らかな最後にご家族は大変喜んだそうです。また、無事看取りができたことに対して職員も安心し、大きなやりがいを得ることができたそうです。