入居者とスタッフ間のトラブル
セクハラ
スタッフが入居者から受けるトラブルとして多いのが「セクハラ」です。他の入居者が周りにいるときではなく、居室やお風呂場などで発生することが多いようです。認知症症状のせいで悪気なくセクハラをする入居者もいるので、故意で悪質なものかそうじゃないかを見極めるのが難しいです。何度注意してもセクハラをやめてくれないのであれば、ご家族との面談をする必要があります。ご家族にとって、入居者がセクハラをしているという事実は非常にショックなことです。面談の際は介護士だけではなくグループホームの責任者と一緒に伝えることになるでしょう。ほとんどの場合、契約時にセクハラや暴言・暴力があった際の項目があります。そのため、セクハラを理由に退所を求めるケースも少なくありません。少し厳しく感じるかもしれませんが、このように対策をしないと今度は逆に介護士がセクハラを原因に辞めてしまうことになります。
虐待
また、スタッフから入居者に対して起こるトラブルとしてあるのが「虐待」です。アットホームな雰囲気が魅力のグループホームですが、実際にどうなのかは外からだとわかりません。グループホームは常時1人以上の介護士がついていなければなりません。それに加え、常勤換算で入居者1人に対して3人の職員配置が必要です。定員9人のグループホームだと、大体朝から16時くらいまでは3人態勢で、夜間は1人の職員で運営しているところも多いです。日中よりも落ち着いているとはいえ、9人の入居者のお世話をするのは楽なことじゃありません。そこで疲弊した介護士による入居者への虐待という最悪な結果につながってしまうのです。
医療行為など
グループホームには看護師の配置義務がないので、医療行為ができないという問題もあります。研修を受けた介護士であれば簡単な医療行為ができますが、それでもほとんどのことはできないと考えていいでしょう。例えば耳垢の掃除も医療行為なので介護士がすることはできません。特に注意したいのが糖尿病も患っている入居者です。糖尿病患者にとって爪を切ることは危険な行為なので、なにもしらずに安易に爪を切ってあげるといったことはあってはいけません。医療行為が必要なのであれば、訪問看護ステーションと委託契約をして医療行為のできるスタッフを用意しなくてはなりません。また、管理栄養士の配置も義務ではないので、健康面や栄養面での不安があります。そのため、糖尿病の入居者が夜中に勝手に冷蔵庫を開けてなにかを食べてしまわないように注意しなければなりません。